ゆとりの逆襲

時事ニュース初心者でも、読みやすいブログを目指して邁進中。

日本人二人の人質事件を考えてみた。今必要なのは、真実を冷静に見つめること。

トピック「イスラム」について

 人質事件が今後どうなろうとも、冷静に見ていく目を持ちたいと思っています。昨日、湯川さんが殺された(らしい)ということを知って、自分でもびっくりするほどショックを受けて、おかげで今日は体調不良(精神的ショックがいつも体調に現れる体質…)で朝から酷かったんですが……。

 この膿のような残忍な事件、現実にはニュースを見て怒り心頭していても、ブログ上では無視できるものなら無視したかったんですが……。無視しないことに決めました……。多分、今この瞬間も後藤さんは戦っていらっしゃると思えば、ブログを書くぐらい私でもできます。

 

 私なりに調べたことと、私なりの見解を書きますね。

 

1.イスラム教と「イスラム国」

 今、イスラム教のことを調べていて、昔買った本を見てみたが、あまりに知識不足で大半が理解できなかった。

 もっとも、よく理解できない部分があったにせよ、イスラム教と「イスラム国」は全く別物だということが分かった。宗教を盾にしただけの、犯罪集団である。

 イスラム国とは、「イスラム教徒のための国」じゃなく、「イスラム教を盾に、自分たちを正当化させただけの国まがいの殺戮集団」というのが正しいかもしれない。よって、「イスラム国」という国が存在することも、その集団の名前も私は認めないので、ここでは「イスラム国」と表記する。(どこかで忘れてたらすいません…)

 

2.自己責任から責任追及へ

 日本のネット上では、当初自己責任だという論調が多く見られた。一人の人がいろんなメディアを使って発信しているのかもしれないし、中には中学生とか小学生が混じっているのかもしれない。みんながみんなそうだと思っている証拠はないけれど、自己責任という文字が多く見られたことは事実。

 湯川さんが殺されたようだと公式に発表があって、すぐにネットメディアは2,3件「誰が悪いのか」という責任追及の記事を出した。

 テレビのニュースを見ていると、一部の識者(本当にどこまで精通している人なのかは怪しいが)が、湯川さんが殺されたとみられる原因は、安倍首相にあるという論調で話していた。まるで安倍さんが一番悪役かのように。

 おいおい、どっちの味方や。あんたらホンマどこの国の人間や?と、ついツッコみたくなる論調だ。

 

 それは違う、絶対に違う。それは、「イスラム国」側の論調であって、一部そういう見方をしたい人はいてるのかもしれないけど、日本国民の総意ではない。と、私は思う。

 

 だからこそ、私は疑う。

 一部、そういう意見が出ているから、「イスラム国」が声明で発表したのかもしれない。安倍さんは日本では人気のあるリーダーという見方をして、どうしたら日本国民を傷つけられるのかと考え、「安倍が悪い。お前たちが選んだリーダーの責任だ、責めるべきは日本の総理」だと言いたいのかもしれない。

 「イスラム国」の言い分に乗っかっちゃったら、もうホントに相手の思う壺である。そんな記事を読んで、「イスラム国」の連中は腹をかかえて笑っているだろう。「日本人、バカだな、自分らの首相責めてるよ!ホントに悪いのは俺たちなのにな!」って。

 

3.「イスラム国」とはどういう国か、冷静な目を持つべき

 責任追及云々ではなく、冷静に今回の事件を考える必要がある。

 今回のことは誰が悪いかではない。悪いのはISIS・「イスラム国」以外になく、湯川さんがいかに無謀なことをしたと言えども、殺されていい理由にはならないからだ。

 日本政府への責任追及は、的外れである。なぜなら、「イスラム国」という集団は、まず各国の人質を集めて、収監し、時機がくるまで待つ。アメリカの場合、空爆を決定したタイミング、イギリスの場合は空爆への参加を決定したタイミングで、人質を処刑して、全世界にアピールした。(参考:25日放送『たかじんのそこまで言って委員会』)

 そうすることで、大きく考えると二つの利点があると思われる。全世界に「イスラム国」の主張を強烈なメッセージとして表現できると共に、「イスラム国」への恐怖を植え付けることができる。その恐怖は、「イスラム国」への対策を躊躇させる力になりうるかもしれない。「あの連中は怖い、なにか言われても言うことを聞こう!」という世論がどこかの国で大きくなっても不思議ではない。

 「イスラム国」は、その支配地域内で、こういうこともしている。サッカーをテレビで見ることは禁止されているらしく、アジアカップをこっそり見た少年たち13人が殺されたという。また、同性愛者というだけで人を建物から投げた後に投石で殺している。

 (下記の英字ニュースは、見出しは『サッカーを見ているだけの少年たちが殺害された』ですが、同性愛者の方が建物から投げられる画像)


ISIS Executes 13 Boys for Watching Soccer in Mosul; 'We Don't Know What the Future Holds' Say Terrified Citizens | Gospelherald.com

 こういう集団に対して、「この微妙な時期に、イスラエルに行った安倍総理の発言は間違っている」といった見方はもはや出来ない。常識が通用せず、どういう言い回しをしたところで発言を捻じ曲げていることは明らかである。宗教を捻じ曲げる連中だから、言葉を捻じ曲げることぐらいは容易いことだろう。 

 

4.ニュースを疑え

 近頃、久しぶりに高校の卒業文集を読んでみた。高校の担任が、「これからは困難な時代になる。世論を疑い、真実を見極める目を持て」と書いていた。常識で考えておかしいと思ったことでも、それが真実かもしれない。真実だと思って読んでいる新聞や、見ているニュース番組が真実を報道していないかもしれない。

 自分の意見が、ある意味でニュースや新聞にマインドコントロールされていないだろうか。うちの母親は、新聞に書いてある論調の総意のようなことをいつも主張している。主体性に欠ける、と私は思う。日本人は主体性がない人が多い。自分で何かを考えられず、他人の意見に惑わされる。私も、時々他人の意見にコントロールされてしまう。されると、右も左も分からない。だからこそ、正常な判断力をいつも持っていたいと思う。

 今回の人質事件の場合、「イスラム国」に精通するとされる専門家が各所のメディアに出てくる。その専門家がどこまで専門なのか、初めてテレビに出るけれど本当に正しい意見を持った人なのか、左や右に極端に傾いている人ではないのかは、視聴者や読者には一切分からない。「イスラム国」はもちろん、イスラム教、中東への知識が薄い日本人には、どの人の言っていることが真実なのか、正しいのかが分からないのである。

 今回の人質事件が、後藤さんが一人だけでも生きて帰って来られた形で解決しようとも、真実は明らかにされない可能性が高い。人質交換はしたのか、どうか。お金を払ったのか、どうか。いろんな憶測が飛び交うとは思うが、それまでには冷静に判断できる知識と公平な目を持てるように、少なくとも中東のことや簡単なイスラム教のことくらいは勉強したい。