ゆとりの逆襲

時事ニュース初心者でも、読みやすいブログを目指して邁進中。

多読3日目までの経過報告

Penguin Readers: Easy Starters THE PEARL GIRL (Penguin Readers, Easystarts)

おさらい

  • 多読:語学習得のための読み物をつかって、自分のレベルに合う英語を読んでみようという試みのこと。100万語をひとつの目標にすることが多い。
  • ペーパーバック (paperback): ぶ厚い表紙なしの軽めの本。日本でいう文庫本。"本"なので、ずっとペーパーブックだと思ってた。英語学習者用は値段の割にうすっぺらい。洋書だけどMade in HongKongとかなら、もっと安くしてくれればいいのに。企業努力が足らんわ(愚痴)
  • 筆者のスペック:奇跡的にTOEIC710を取ったが、まぐれだと思っている。海外大学2年間で英文学専攻経験あり。(留学時は破壊的な出来の悪さで読み切れた本は少ない)経験だけでカバーしていて、英語コンプレックスは強い。

 

経過報告

多読開始から3日は優に越し、むしろ3週間目なんですが……平然と経過報告なんてものを書いてみます。とりあえず3日間経過時点では順調な滑り出し。

家の本棚でぐっすり眠ってはった、パンダな彼と久しぶりのご対面。

いっぱい読めばしっかり身につく 今日から読みます 英語100万語!

いっぱい読めばしっかり身につく 今日から読みます 英語100万語!

 

 

多読本は2冊持ってますけど、これは結構良いです。分かりやすい。Penguin readers easystartsというシリーズから始めるようにって書いてあったので、私もそうしてみます。

 

Penguin readersのレベルは、easystarts→Level 1→2→3....の順。Penguin readers easystartsから始めるのが良いのかなと思いますね。大型書店なら大体売ってるし、シンプルで分かりやすいストーリーのものが多いです。パンダの多読本には、easystartsを10冊読んでLevel 1に進むことと書いてましたが、金がなくて自信がある私はeasystartsを4,5冊読んでさっさと卒業しました。(また根拠のない自信)Level 1は結構幅広くて、総語数2000語以内のものは簡単ですが、語数が4000前後になると少し読みにくいものも混ざってきます。

 

  • 1日目:2 books (1945 words)
    The Troy Stone, The Pearl Girl

    Penguin readersのものを中心に読みました。
    easystartsは簡単すぎて、レベル1にもう進んでもいいんじゃないかって思いましたが、パンダの多読本によると読むスピードをもっと早めないとダメだそうで、2,3日このレベルで粘ることにしました。(ま、その自信はこの後ガラガラと音を立てて崩れちゃうんですけどねー)

    2冊のPenguin Readersを読破。

    Penguin Readers: Easy Starters THE TROY STONE (Penguin Active Readers, Easystart)


    TroyやPearl Girlは歴史や絵画の知識まで盛り込んでるのかと思いきや、ほぼ0です。Troyはタイムスリップもので、Pearl Girlは女の子が頑張る話。Troyは細かな描写がシンプルすぎる英語では分かりにくい部分があったんですが、Pearl Girlは話もシンプルなので分かりやすい。

    どちらも、久々に読む楽しさを実感できました。読んでて楽しいって思えるレベルは、読むスピードが追いついているかによると思いました。多読、大事!

  • 2日目:なし!(0 word)
    早速サボり……早くも三日坊主か?

  • 3日目:1 book (973)
    Maisie and the Dolphin
    子どもの頃憧れたイルカと一緒に泳ぐ少女のお話。バハマの美しい海をバックに、結構シビアなリゾート開発ネタをブチ込んだか……という印象。あ、でもこの話が今まで読んできたの
    Penguin readersのなかで一番好きかもしれない。
    Penguin Readers: Easy Starters MAISIE AND THE DOLPHIN (Penguin Active Readers, Easystart)

  • まとめ(total 2938 words)
    今回読んだ三冊はどれもこれもPenguin readersのeasystartsレベルでした。単語はめちゃ簡単。辞書?そんなのいるの?ってぐらい、分かりやすいものばかりです。基本的に200語だけで成り立ってるので、TOEICとか受けてる人にとっては余裕綽々のレベルですかね。本当に英語が苦手で、社会人になってから一度も英語には触れてない!って人だと、もう一段階下のレベルのものもあるらしいので、そちらをおススメします。(オックスフォードから出てる、リーディングツリーシリーズというものがあります)

    読んだ三冊の中に、ストーリー逸材!マジスゲー!ってものはなかったんですが、激つまんねーってものもなし。英語読んでる!スラスラ読んでる!という喜びだけで突っ切れましたし、とっても楽しかった!
    まだ三日目では速さは分かりません。(笑)
    大体どれも15分~20分で読めたかな。8分とかで読めるようになりたい……。本人的にはスラスラ読んでいるように思えても、10分を切ることを目標にするとまだまだ遅いですね……。

 

どうでも良いけど、Penguinって綴り間違えそうで怖いです。語尾がgineとかになりそう。どっかで間違っているやも?

 

次は、一週間目までの経過報告!追いつけ3週間目!

今日から多読をやってみます!

http://www.flickr.com/photos/51503251@N00/974784929

photo by madelinetosh

多読ってなんぞや?

 

 人生日々勉強! という割には、今は訳あってニートさんなんだけど……しかも病み上がりだから、まず働く体力をつけなくちゃいけないっていう……。時間があるときにしか出来ないことをやろうということで、多読を始めてみることにします。

 多読っていうのは、語学習得のための読み物をつかって、自分のレベルに合う英語を100万語読んでみようという試みのこと。

 ペンギンリーダーズ、マクシラミラン(マクラミラン? マクシララン?……いつもこれが言えない(笑))、オックスフォードから主に出てる、英語学習者向けのうすっぺらいぺらぺら本のくせに、めっちゃ高いやつのこと。(アメリカ・イギリスで買うと物凄い安い)

 でも、読解って結局は自分で読むしかない。英会話に行っても、自分で参考書買っても、やっぱり自分で読むしかないんだよね。参考書の方がコスパは安いけど、参考書なんて買ってやらないことの方が多いし、苦痛だし、面倒だし、何より面白くないし……結局薬局多読がいいのかもしれないという結論に至ったわけです。英語学習歴10年越にしてようやくね。

 あと、自分が読みたい洋書をまず手にして読んでみても、大抵の本は途中でドロン。ひーもう読めない!で、本棚の飾りになるだけ。

 

 わたしの二人の友達は、なんかバンバン読めてるみたいなんだけど……! ちょっとそれはもう最近認めた! 才能の差だと思う。私は才能がない! でも、才能なんて努力すれば微々たる違いなんだよね。カメのようにじわりじわりと無理なくいけば、最後はウサギさんを追い越せると思うし、実際何匹かのウサギさんは抜かした!

 

 でも。私が思うに、受験の時に死ぬほど英語の勉強した人とか、元々英語のセンスがある人は必要ないのかもしれない。でも、一般ピーポーはやるべき。私みたいなね。

 

私の英語スペック

 

 多読開始の前に、自分の英語スペックを書いてみようとおもいますよ!

 英会話数年、短大2年、留学2年でかなり英語は得意だと思ってたし、自信もあった。だけど、よくよく考えてみたら、何にも英語の勉強をしてなかった短大の初めは物凄い落ちこぼれだった! ほぼビリ!毎日先生に、英語喋るの遅いって言われてた。わたし、えいご、むいてない!ってことに、英語学習歴たぶん10年目にして分かってしまった! 英語、向いてない状態は、英会話を2年やって切り抜けたんだよね。大学の成績もトップクラス……って物語のようにはいかないけど(笑)、かつて私が落ちこぼれてたクラスの中では優秀な方に入ることができた。

 今の状況はというと、1年前からずっとTOEICを受けていて、ちょこちょこと勉強はしてたつもり。でも、もの凄く努力家でもないから、ものすごーーく勉強してたわけじゃない。やっぱりカメのように頑張った。じわりじわり。

 そして、前回のテスト結果でやっと自分の本当のレベルを思い知った。リスニングは満点に近い点数があるのに、リーディングは読む速さが物凄く遅くて凄い低い点数ばかり。

 

 大学では英語ばかり勉強していて、多読をさせられていた。だけど、させられているって全然身にならない。読んだ!って言っといて実は読んでないフリはできない仕組みではあったんだけども、ざっと読みすればいいや、ってのが主流で。勉強もテストのためにすれば、テストが終われば全て忘れてる。

 就活の時どこかの会社の社長さんが、「わしが多読やったから、社員みんなに多読強制」ってしてはったけど、それ絶対コスパ悪いからね。多読が辛いものなら、参考書を読んでるのと変わらない訳で……強制だめ!ぜったい! 自分ができるからって、人にもできるかどうかはまた別の話だもんね。

 会社では、多読の本とか買い揃えてあげて、TOEIC高得点の人に高報酬とかにした方が良いと思うんだよね。ご褒美が一番効くんだよーってその偉い経営者さんに教えてあげたいわ。「強制」なんてのは時代遅れやで。

 

多読で勉強


 英語を習得するには、英語圏の歴史や文化、宗教や慣習も覚えるべきだっていうのが私の師匠の教え。師匠ってのは大学の英語の先生なんだけど、勝手に師匠って呼んでるだけなんだけど、外国の映画館にいって、周りの観客たちと同じところで笑えたら、それがひとつのゴールだって教わったことがある。

 もちろん、多読になれてからの方が良いに越したことはないけれど、英語をつかって新たな勉強をするというのもアリ!

多読用のペンギンリーダーズなどには、英文学だったり歴史や宗教についての本もある。分厚くてすぐリタイアしてしまいそうなザ・学習用の本よりも、ぺらっぺらの多読本や子供向け知識本(絵付き)も良いかもしれない。
あとは、これ!
English Literature: A Very Short Introduction (Very Short Introductions)
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作者: Jonathan Bate
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 A Very Short Introductionっていうシリーズ。いろんな専門的知識の初歩の初歩から学んでみましょうね、みなさんっていうシリーズなのです。どっからどう見ても前篇英語なので、自分の得意分野のものを読むといいです。何にも知らないものよりかはちょっとは分かるかも。レベルとしては現地の大学生向けで、ものによるけど日本の文庫本の半分ぐらいっていう長さ。薄いけど、薄すぎない、絶妙な長さのシリーズ。その分野に対する知識があれば読破するのはそんなに難しくないと思う。

 読むのが物語だけなら、もしかしたら物語しか読めなくなるかもしれないから。多読はどうしても物語に触れる機会が多いと思うので、バランスを取るためにこういったものを読むのは大事かもね私は物語は読めるけど、TOEICのビジネス英語は読みにくすぎてしんどいんで。

 

 ゆくゆくは、イタリア語を英語でやりたいんだよね。日本で買えるのかすら怪しい英語のイタリア語学習本。まあそれは次に英語圏に行くときまでのお楽しみ。いやいや、それよりまずは三日でやめずに続けられるかどうかが問題なんだけどね!!

「沖縄二紙嫌い」って言うことってそんなに悪いこと?

 だって嫌いなんだもん。しょうがないじゃん。

 で、この話題が終わってしまえば楽なんですが、そうなるとブログの意味がないので、長々と書かせて頂きます!

 

 わたしも二紙は嫌い。でも、沖縄は好きだし、沖縄の人は好きだし、ちゅらさんはやっぱり美人だし、沖縄の方言は特に好きなんだよ、めんそーれ!

 百田さんは沖縄が嫌いって言ってるわけじゃないし、俺の権力で二紙潰しちゃるって言ってるわけでもない。てか、小説家にどんな圧力がかけられると? もうNHKの委員は辞めたんだよ。

 

 冷静に考えると、たぶん百田さんの講演やら喋る機会のありそうなところは全部ストーカーのように誰かが張り付いて、「あ! 今これ失言取りましたー!」って編集部に報告しまくってるように思う。それを表紙やら、電車の車両広告やらにしとけば、新聞や週刊誌のベストセラーいっちょ出来上がり☆って訳なんだと。

 

 百田さんの考え方は多少凝り固まってるようには思うけど、好きだー嫌いだーって言うこともダメなんて、それこそどういう圧力だよ。

 圧力だー!圧力だー!やばいぞー!怖いぞー!って無駄に叫んで、一部の偏向思想の人が大騒ぎして、一部の政治的知識の乏しい人が同調してるだけ。

 沖縄タイムズだって琉球新報だって、言葉を替えれば「百田さん大嫌い」って言ってるようなもんじゃん。「大嫌いだけど、金になる」ってのが本音だと思うんだけどね。

 Twitterでだってブログでだって、一般人はどんなに何かを嫌い!って言うだけなら何にも騒ぎにならないけど、百田さんが駄目ってなんで? 考えてみると、そこに何の理由があるのかな。公けの人だから? あの人公けの人か? 売れない作家ならいいのか? まあ、暴言とするにはちょっと無理があるかな。殺す!とか言ってない訳だし。

 うちの母親とかもがっつり同調圧力に弱い、ザ・日本人なので普段から「安倍さん、戦争したいのかもしれないよ」とか言っちゃったりするんですが……。同調圧力に訴えかける、感情を露わにする新聞ってホントおかしい。今も、どっかの新聞さんは百田さんに対する抗議をネットに掲載させてますよ。

 日本人の皆さん。もういい加減、同調圧力やめましょうよ。ニュースで言ってることが全て正しい訳がありませんって、マジで何回もうちの母親に言ってるんだけど、聞いちゃあもらえない。「嘘言うわけない」って。えーーー!あんたの優秀な娘をもっと信じろよ!(笑)

 右と左の意見を聞いて、自分の思うストレートを突き進むべき。ニュースはただぼーーっとバカみたいに見るだけじゃなくて、そこから考える。自分で考える。ちょっとは疑う。だって、ニュースとて人の手によって書かれたものだからね。偏向報道になるのは当たり前でしょ。書く人には意見があるもんなんだから。

 でも、それでも新聞は偏向になりにくいようにするべきだし、百田さんの言うことにイチイチ喜んでいないで、沖縄って被害者なんです、本国から置き去りにされてるんです、っていう偏向報道を取りやめるべき。だって、置き去りにされてないから! 日本人は沖縄人と一緒だし、We are Japanだから!The Worldじゃないけど、A Nationだから! 何十年前の話を引きずるなんて、なんていうパククネさん!

 

 ちなみに、百田さんが「沖縄二紙の新聞は読んだことないがネットでみた」っていうのでそれまた「ネットかよ!!」って喜んでる人達がいらっしゃいますが、その人たちにぜひ言いたい! (聞いてないかもしれないけど!)

 あのねー、沖縄タイムズも琉球新報もネットニュース出してるんですよって。そんなことも知らないのか、おじーちゃんなのか、単に言質取りたいだけなのか。

 タイムズと琉球新報は普段からちょこちょこネットニュースに上がってくるのでたまに読みたくないのに読んでしまってるけど、偏向報道すごいですよ。政府批判、沖縄を嘆く、翁長さん大好き、百田嫌い。そんな感じ。

 そして、たまたまかもしれないけど翁長知事の訪中記事だけは有料だった。しかも無料で読めるところでは、アジア経済のために~~だって書いてあって……おいおい。

 

 すずさん発言にせよ、アイドルの恋愛禁止条例にせよ、人の失言や失敗を許せない人ってネット社会に多いなあと思う訳です。二紙も、もうほっとけばいいのに。嫌いですって言ってるんだから、そっとしておけば良いのに。嫌いなのにずっと追っかけてるなんて、それは世にいうストーカーですよ。

 

 でも皮肉なことに、百田さんの発言が沖縄二紙の売り上げを延ばしてしまっているんじゃないかなって思う訳です……。百田さん本人としては、無駄に批難されるわ、やり玉にあげられるだけあげられて、悪意を被って、嫌いな新聞の売り上げ上げたなんて考えたくもないだろうけど。

出したかったから出した――自己満足のために遺族を傷つけてもいいのか

  本を読んでいない人間が言うなと思われるかもしれない。思われる前に書いておくが、「本の中身ではなく、出版についての意見」として読んでもらいたい。中身の問題ではなく、倫理上の問題提起だと思ってもらえるとありがたい。ワイドナショーで取り上げられたことも参考にしています。

 読むことを非難しているのではなく、書いた本人と出した出版社への非難なのですが、不快に思われる方は読まないことをおすすめします。

 

更生はできても、本質は変わらないのか

 出したかったから出した。そのために遺族を傷つけても、自分の家族が社会から注目を浴びるかもしれない危険にさらされても。

 それって、何も変わっていないんじゃないかとワイドナショーで東野さんが言っていた。出したかったから出した、殺したいから殺した。本質的に、変わってないのではないかと思ってしまう。ダメだって思えば思うほどやりたくなる。物事というものはそういうもんだが、絶対やっちゃあダメなときもあるのだ。それが社会にいきる人間の責務だと思う。 

 元・少年は多分ある程度更生したのかもしれない。本当に節度ある「普通の」大人ならば、誰かを傷つけても自分のために行動しようとは思わないはず。

 

 今のところ、遺族と元・少年の話は、完全な意味で噛み合うことは無いのだと思う。少年は謝っている。でも、実は本当の意味で自分が犯した罪を100%理解しているとは思えない。他人の気持ちを理解するのが苦手なんじゃないかとさえ思う。それでも、人の心を100%は理解していなくても、再犯は防げるかもしれない。まあ、再犯するぞなんて不吉なことは言いたくないのが本音だが。

 

「表現の自由」と「知る権利」を振りかざす出版社

 表現の自由は、誰かを傷つけても行使するべきものではない。傷つけてもいいというのなら、それは傲慢以外の何物でもなく、やはり社会のルールを破っているのだと思う。

 もし、彼の作品がかなりの名作であるとしても、懺悔に懺悔を重ねていたとしても、それを読むのは元・少年に看過されて罪を犯したあの少女だけでいいと思います。本じゃなくて手紙で良いと思う。本にしたのは、そうすることでどれだけ自分の存在が社会に影響を与えるかを分かっているから。そして、そのことで遺族を傷つけるなどという常識的な考えが分からない、もしくは苦手なのだろうと思います。 

 私たちが、知りたいことをすべて知る必要があるのか、すべて知る権利があるのか。それは、表現の自由や知る権利には値しない。出版社はこれらの意味をはき違えていると思う。少なくとも、当事者(遺族の方々)が拒否しているものを読む必要なんてないと、私は思う。

 

本が社会に与える影響

 わたしも殺人を犯したら彼のようになれるかも! 売れる本が書ける! と思う少年少女がいてもおかしくはない。

 今までそんな人はいなかった? という意見もある。嘘だ。デスノートを読んで、殺人を犯した人は実際にいるし、ゲーテの『若きウェルテルの苦悩』を読んで、そのエンディングと同じく、自らを射殺してしまった人は何人もいたのだ。本は共感を呼ぶ。本を読んでいるとき、読み手と書き手は一体となれるのだ。時に、書き手の感情が読み手の心の中にすっと入っていくことがある。文学的な作品、エンターテイメント溢れる作品ならそれはとても爽快な体験になりうる。が、この場合はどちらでもない。むしろ、文学的な作品が読みたいなら、わざわざ元・少年の本を読まなくても良いわけだ。他に文章の優れた作品など星の数よりもある。 

 

 元・少年も責められるだけのことをしていると思うし、出版社自体にも責任はある。更生をするためにどれだけの人員を割いたか、時間をかけたか、元・少年にどれだけの愛情が与えられたかという出版社側の言い分がある。

headlines.yahoo.co.jp

 

 では、更生のために勤められたボランティアの方たちは、少年院のスタッフの方たちは、元・少年が出版することを望んだといえるのか――本当に?

やっぱり、ボランティアの方を持ち出してくるのは、ただの自己弁護に過ぎないのだと思う。こんな善意の人々を否定するのか? という意味にとられても仕方ないと思う。

 

結論

 出版はするべきではなかったし、少年は本を出すべきではなかった。結局、自己表現に酔って行動するというところは直っていないのだし、真に節度ある出版社はそれに加担するはずがないと思う。

 そして何より、被害者に辛い世の中であってはいけないと思う。今回のことは、表現の自由の枠を越えてしまったように思う。そして、出版社は遺族の気持ちをほんの一欠片も考えておらず、社会への影響力と話題性だけを求めているのではないか。出版したいからしたいという出版社も、出したいから出し、殺したいから殺した元・少年も、結局は類は友である。彼らを非難したい者の出来ることといえば、やりたいことを全てやればいいのではなく、その影響力も考えなくてはならない、それだけの責任がひとりひとりにあるということを教えてくれたと思っているしかないのだ。とてもやりきれないけどね。

 

 最後に、本当に彼が本を出版したかったのなら、長い時間をかけて、遺族を説得するべきだと思う。腕を磨いて、違う名前で、自分が元・少年ということを全て隠して、それでも本が出せたら文句をいう人は今よりは少ないでしょう。